Consideration of the Effect of Vibration Presentation on the Perception of Assist Force during Isometric Wrist Extension Motion
振動提示が等尺性手首伸展動作時のアシスト力の知覚に与える影響の考察

玉井 太一 (2023年3月博士前期課程修了)

人々の運動意欲を高めるために,運動をする際に運動機能を補完する必要があり,運動機能を補完するために動作支援装置を用いることができる.動作支援装置の一つとして,空気圧人工筋をアクチュエータとして利用したものが存在する.本研究室では先行研究として,空気圧人工筋の中でも低圧閾での駆動性能がよい空気圧ゲル人工筋(Pneumatic Gel Muscle. 以下,PGM)を使用したアシストスーツを開発してきた.PGM を使用したアシストスーツは,柔軟なため装着者の動きに合わせてアクティブに支援可能かつ,安価・軽量であり故障が少ないという利点を有する.一方で,PGM を使用したアシストスーツの装着者は,手首伸展動作と肘屈曲動作でPGMによるアシスト力を過小評価することが従来研究で明らかになっている.アシスト力の過小評価を改善するためにアシスト力の視覚提示を行い,実際に改善傾向がみられたが,視覚提示を運動の動作支援を目的としたアシストスーツに使用する際の問題として,運動中は視覚情報が多く,アシスト力の視覚提示を受けるのが困難である. そこで本研究では,振動がPGM によるアシスト力の知覚に与える影響の解析を目的とする.目的とする振動提示による力知覚特性への影響を確認するために,被験者には等尺性手首伸展動作を行ってもらい,アシスト力の大きさと能動的な発揮力,振動振幅の条件を組み合わせて力知覚特性の計測を行った.動作支援装置の一つであるアシストスーツや振動付与による知覚力の過大評価に関する従来研究を取り上げ,本研究の目的を説明する.また仮説を検証するための実験について説明する.つぎに各実験条件におけるアシスト力の知覚特性を示し,アシスト力の大きさと能動的な発揮力,振動振幅が力知覚特性に与える影響について考察を行う.

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