Development of Operation Training System and Improvement of Operation Interface for Improving Operators' Skills of Hydraulic Excavators
(油圧ショベルのオペレータの操作スキル向上を目的とした操作トレーニングシステムの開発と操作インターフェースの改善)

関塚 良太(2022年3月博士後期課程修了)

本研究では,人が主体となって操作する機械の中でも特に使用される場面の多い油圧ショベルに着目し,トレーニング環境の構築と操作性の向上を目指す.油圧ショベルは代表的な建設機械であり,日本においては建設機械市場の約半数を油圧ショベルが占める.建設業界における労働力不足に起因する生産性低下への対策として,油圧ショベルのオペレータを低コストで効率的に育成できるトレーニング環境の構築や操作性の改善は重要である.低コストで効率的な機械操作のトレーニング環境として,シミュレータが利用される.しかし,油圧ショベルにおいては,計算コストの都合により掘削時の土の挙動の再現が難しいといった問題がある.一方,油圧ショベルの操作性の改善に向けた取り組みとしては,操作の一部自動化や機体情報のフィードバックなどが挙げられる.油圧ショベルは2つのレバーを用いて4つの動作を同時に操作する必要があるが,その操作の一部を自動化することでオペレータの負担を軽減することができる.また機体情報のフィードバックに関しては,油圧ショベルの主な用途である掘削作業などにおいて重要となる外部との接触力の提示手法として,力覚フィードバックが注目されている.しかしながら,レバーを操作する時に人が感じる力の特性は未だ十分に解明されておらず,機体情報をそのままレバーの反力の大きさで提示することが人にとって最適であるかは定かではない.本論文では,実際の土を掘削可能なラジコンショベルを用いて,低コストで効率的な油圧ショベルの操作トレーニング環境を構築し,また,人の力感覚を考慮したレバー反力を設計することで操作性を改善し,オペレータの操作スキルの向上を目指す.また開発したトレーニングシステムと実際の油圧ショベルを用いて検証した操作スキル評価指標と操作性に関する主観評価指標を用いて改善したレバーの操作性を評価する.

This study focuses on hydraulic excavators, which are used in many cases among machines operated by humans. We aim at the operation skill improvement of the operator from three viewpoints: developing a safe training environment at low cost, quantitative evaluation of the operation skill, and improvement of the operation interface. Hydraulic excavators are representative construction machinery, and they occupy about half of the construction machinery market in Japan. As a countermeasure to the productivity lowering caused by the labor shortage in the construction industry, it is important to offer a training environment that can safely raise the operator at a low cost and improve the operation interface of the hydraulic excavator. This dissertation addresses the following topics: - Development of the operation training system of hydraulic excavator - Verification of operation skill evaluation indices of hydraulic excavator - Force feedback design of operation levers to improve hydraulic excavator operability