油圧ショベルの遠隔操作における機体切り替えが作業効率に与える影響

増永准也(2021年3月工学部第二類卒業)

労働人口の減少や高齢化といった問題解決手段の1つとして,油圧ショベルへの遠隔操作技術の導入がすすめられている.遠隔操作技術を取り入れることによって,隔操作では操作対象を切り替えるだけで瞬時に操作可能となるが,機械のサイズ感やそれから推測される動特性や周辺状況等の情報が十分に得られないまま別の機械を操作することにより,操作する機体の切替後は機体操作に慣れるまでの間,一時的にオペレータのスキルを十分に発揮できず,作業効率が落ちてしまう可能性がある. そこで本研究では,シミュレータによる機体切り替えの影響を調査した.作成した掘削シミュレータを用いた被験者試験の結果,異なる機体に切り替えることで作業時間が増加し,バケット先端の平均速度が低下することを確認した.また,切り替えの影響がある程度持続することも確認した.