Development of a Wearable Sensorimotor-Enhancing Suit
(感覚運動機能を向上させるウェアラブルスーツの開発)

佐藤 純平(2015年3月博士前期課程修了)

障害者や高齢者のためだけでなく健康な人々に対しても生活の質を向上させるための様々な補助機器が開発されている.人間の運動を効果的かつ安全に補助するためには,人間の感覚と運動機能をモデル化することが重要である. これまでに我々の研究グループでは,3 次元筋骨格モデルを用いた筋活動推定に基づき,人の力知覚特性は筋活動に依存することを明らかにした.特に筋活動が低いとき,より正確に外部刺激の強さを知覚することができることを示している.このことは,適切に筋活動をアシストすることで,知覚感度を高め,感覚運動機能を向上させることができることを示唆している. 以上を踏まえて,伸縮性素材を用いて上肢の筋負担を補助し感覚運動機能を向上させることのできるウェアラブルスーツ:SEnS (Sensorimotor-Enhancing Suit)を開発した.実験により,SEnS を着用することで力知覚機能が向上すること,また,記憶した姿勢の再現精度が向上することを示した.