吐水の触り心地を仮想的に再現するシステムの開発

岸下健太(2019年3月工学部第二類卒業)

質の高い吐水感をもつ製品を生み出すには試行錯誤が必要であるが,吐水の触感を水を使わずに感じることができれば,物理的試作の回数を減らすことでコストの削減が期待できる.吐水の感性評価に関する従来研究から,吐水の触感は因子1:包まれ感,因子2:なめらかさ,因子3:力強さの因子で説明できることが示されている.そこで本研究では,吐水の触感を構成する3 因子に基づき,それらの再現について試作検討を行い,吐水の触感を再現する触感ディスプレイの製作,評価を行なった.冷風,振動,錘による手への刺激提示において,泡沫吐水のなめらかさに関しては相関を得られ,他の吐水の再現に関してもパラメータ調整をおこなうことで,再現可能であることが示唆された.