研究紹介

小型魚類の呼吸波と行動解析に基づいた バイオアッセイシステム

感性ブレイングループ

本研究では、水槽底面に配置した24個の電極から自由遊泳中の魚の呼吸波信号を計測し,遊泳行動を解析するシステムを提案する.提案システムは,電極から測定された呼吸波信号のパワースペクトル分布を用いて非接触・非拘束条件下で魚の位置と速度を推定する.推定実験では,カメラ解析による結果と比較することによって計測精度を調べた.位置の推定誤差は20.6 ± 6.3 mmと魚の魚影範囲内であり,速度は強い相関(r = 0.94,p < 0.001)であることを確認した.したがって,提案システムは,呼吸波信号を測定することができるだけでなく,カメラ解析と同程度の計測精度であると結論した.また,エタノールを用いた汚濁実験により,魚の呼吸と行動の指標を組み合わせることで水質汚濁を検出できる可能性を示唆した.

関連文献情報

Bioassay System Based on Behavioral Analysis and Bioelectric Ventilatory Signals of a Small Fish, Zu Soh, Shigehisa Kitayama, Akira Hirano, and Toshio Tsuji, IEEE Trans. Instrum. Meas., Vol.62 , No.12, pp.3265-3275, 2013.