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第489回 インパクトファクター,被引用回数,h指数(その1)

2017.12.11

生体システム論研究室が所属する広島大学大学院工学研究科では,研究・教育活動の活性化を目的として,毎年,研究室の研究業績の評価を行っています.研究の業績をどのようにして評価するか,これはなかなか難しい問題ですが,一般に以下の3つのインデックスがよく用いられます.

1.Impact Factor(インパクトファクター, IF)
インパクトファクターとは学術雑誌の影響度を評価する際に用いられる指標で,ある1年間においてその雑誌に掲載された過去2年間の論文が平均して何回引用されたかを示す尺度です.ただし,対象とする学術雑誌や引用回数は学術データベースWeb of Scienceに掲載されているものに限られます.分野が異なる学術雑誌を一概に比較することはできませんが,同じ分野であればインパクトファクターの高い雑誌ほど影響度が高いということになります.なお,インパクトファクターが付与された論文誌に掲載された論文はSCI論文と呼ばれます.

2.Times Cited(被引用回数, TC)
被引用回数はあるSCI論文が他のSCI論文から引用された回数で,Web of Scienceを対象としてカウントした値が用いられます.上述のインパクトファクターでは雑誌の影響度しか評価できませんが,被引用回数であれば論文そのものの影響度,重要性を評価することができます.また,ある研究者のすべての論文の被引用回数を総和した被引用総数を計算することも可能です.

3.h-index(h指数)
ある研究者が発表したSCI論文の質(被引用回数)と量の両方を考慮した指標で,「その研究者が発表したSCI論文のうち被引用数がh以上であるものがh以上あることを満たすような最大の数」と定義されています.最近はこのh-indexを用いて研究者の業績評価を行うことが多くなってきているようです.

今回は,研究室ホームページに掲載しているSCI論文の被引用回数を調べてみました.以下に,ベスト5を示します.
なお,論文の先頭についている番号は,研究室ホームページ(http://www.bsys.hiroshima-u.ac.jp/publications/international-journal-papers)に掲載している論文番号です.

第1位 (TC=249)
31. A Human-Assisting Manipulator Teleoperated by EMG Signals and Arm Motions
Osamu Fukuda, Toshio Tsuji, Makoto Kaneko and Akira Otsuka
IEEE Transactions on Robotics and Automation, Vol.19, No.2, pp.210-222, April 2003.

第2位 (TC=222)
4. Human Hand Impedance Characteristics during Maintained Posture in Multi-Joint Arm Movements
T.Tsuji, P.Morasso, K.Goto and K.Ito
Biological Cybernetics, Vol.72, pp.475-485, 1995.

第3位 (TC=83)
11. Active Antenna for Contact Sensing
M.Kaneko, N.Kanayama and T.Tsuji
IEEE Transactions on Robotics and Automation, Vol.14, No.2, pp.278-291, 1998.

第4位 (TC=65)
67. A Hybrid Motion Classification Approach for EMG-based Human-robot Interfaces using Bayesian and Neural Networks
Nan Bu, Masaru Okamoto and Toshio Tsuji
IEEE Transactions on Robotics, Vol. 25, No. 3, pp. 502-511, June 2009.

第5位 (TC=61)
13. A Log-Linearized Gaussian Mixture Network and Its Application to EEG Pattern Classification
T.Tsuji, O.Fukuda, H.Ichinobe and M.Kaneko
IEEE Transactions on Systems, Man, and Cybernetics-Part C: Applications and Reviews, Vol. 29, No. 1, pp.60-72, February, 1999.

第1位は福田修先生(佐賀大学),第4位はBu Nan先生(熊本高専)の博士学位論文の内容の一部を論文にしたものです.

もちろん,これらの評価指標だけで研究内容の順序付けができるわけではありませんが,このような基準で評価されることがわかっているのであれば,普段から少しずつこれらの指標値を上げる努力をしておくことも大切でしょう.

今後も,海外や国内他大学の研究者にたくさん引用されるような独創的で影響力の高い研究成果を目指していければと思います.